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甲斐 哲也; 原田 正英; 勅使河原 誠; 渡辺 昇; 鬼柳 善明*; 池田 裕二郎
Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A, 550(1-2), p.329 - 342, 2005/09
被引用回数:18 パーセンタイル:74.82(Instruments & Instrumentation)結合型モデレータに対する多数の中性子ビームの要求に応えるため、中性子ビームの取出角度を大きくする必要がある。このとき、低エネルギー中性子の時間積分、及びパルスピーク強度を最大とするため、中性子特性計算を行った。中性子強度の合計はビーム本数の増加に伴って増加したが、それぞれの中性子ビームの強度は、反射体に設けられたビーム取出孔に起因する反射体欠損により減少した。直方型モデレータにおいて取出角度が大きな場合(法線から25度)、その方向へ向かう低エネルギー中性子の空間分布を計算すると、大きく強度が減少している領域が生じていることがわかった。代案として提案した円筒型モデレータを用いることにより、強度減少の見られる領域を縮小することができた。さらに円筒型モデレータについて、時間積分,パルスピーク強度,パルス幅,パルス減衰特性をモデレータ直径の関数として計算した結果、直径140mmが最適であることがわかった。両者の比較の結果、円筒型の方が、時間積分強度とパルス減衰特性は同等で、高いパルスピーク強度,狭いパルス幅,平坦な角度依存性の中性子ビームを供給できることがわかった。両者のパルス特性の違いについての説明も行っている。J-PARC核破砕中性子源において、円筒型の結合型モデレータを採用することとした。